The Facility

東京オリンピック会場となった屋内自転車トラック競技施設、
伊豆ベロドロームが本拠地

2011年10月1日開場。日本初の常設および室内木製走路の自転車競技場。世界選手権自転車競技大会とオリンピックの開催が可能となるUCIの公認カテゴリ1にあたる設備が整えられ、東京2020では自転車競技のトラックレースの開催地となりました。

自転車トラック競技で、世界トップを目指すための専門的設備

メインの活動拠点である伊豆ベロドロームには、選手が最大のパフォーマンスを発揮するために、効果的かつ効率的にトレーニングできる設備を各種設置。また、安心して自転車競技トレーニングに集中できる環境を整備しています。

The Experiment

自転車競技のパフォーマンス向上のための実験を実施

選手のパフォーマンス向上のために、国内外において風洞実験やバイクポジショニングなどを実施しています。パートナーや専門家の知見、研究や実験の結果を速やかに選手や機材にフィードバックできる体制を構築しています。

The Innovation

ベロドローム走行に特化した

独自の空力実験プロトコル”RAC”

パワーと速度のセンサーデータをコンピュータモデルで統合して、時々刻々に変化する空気抵抗を高精度に推定する空力実験方式を独自に開発しました。この方式は、特別な機材を用いずに、従来方式よりも高精度かつ短時間に実験を実施できます。さらに、これまで難しかったスプリント種目の速度域で実走行するフィールド実験にも活用しています。

自転車のあらゆる動きを記録するデータロガー

自転車で一般的なパワーと速度のセンサーデータに加え、6軸慣性センサーを搭載し自転車のあらゆる動きを記録するデータロガーを開発しました。データは無線転送して、アナリストやコーチへリアルタイムに情報を提供します。さらに、前記のRACと統合し、レース時のエアロダイナミクスの変遷をより高精度に評価できるよう開発を進めています。

この事業は競輪の補助を受けて実施しました。

The Innovation

①パフォーマンスモニタリングシステムの開発

収集したさまざまなパフォーマンスデータを、コーチや選手が扱いやすいより高度な形で統合して情報提供するモニタリングシステムを開発。
スプリント種目においては200Hz高頻度トルクデータとスローモーションビデオを同期することで、スタートの動作を従来よりも詳細に評価できるようになりました。
中距離種目においてはチームパシュートを走行する各選手の空気抵抗の推移を算出し、走りの品質評価に活用します。
また、これら収集したパフォーマンスデータをエンターテイメント用ビデオとして出力するソフトウェアを開発し選手に提供します。

チーム種目レース時の空気抵抗およびパワー評価

 この事業は競輪の補助を受けて実施しました。

②様々なタイミング計測技術の開発

映像ベースのタイム計測およびレース解析システムの構築

レース中に撮影された映像を活用し、セグメントごとの通過タイム、先頭交代のタイミング、重要な位置取りなどの戦術的要素を定量的に把握・可視化できるシステムを開発。これにより、レース内容をデジタルデータとして蓄積・分析し、指導や戦略立案に資する有効なツールを整備した。

 

GPSを活用した可搬型タイム計測システムの開発

従来型の地面埋設センサー等を用いた大掛かりなタイム計測とは異なり、遠征先や複数拠点でも容易に使用可能なGPSベースの可搬型タイム計測システムを構築。これにより、場所にとらわれず常に安定したタイム評価が可能となり、測定環境の標準化が図られた。

 

Hipスピード計測によるスタート動作解析ツールの開発

短距離競技におけるスタート局面の重要性に着目し、スタートダッシュ時の腰の動きを簡易かつ高頻度に計測できる装置を開発。これにより、選手がペダルへ効率的にパワーを伝達できているかを日常の練習の中で確認可能とし、フォーム改善やパフォーマンス向上に直接結びつけることができる。

 この事業は競輪の補助を受けて実施しました。

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