【中村妃智選手インタビュー】 第5回:今は自分が3人ぐらいほしい。

 

2013年8月からエリート強化指定選手となり、東京2020オリンピックでも活躍したHPCJCの中距離アカデミーチームメンバーの中村妃智選手が、今月をもって競技から引退することとなりました。
中村選手はHPCJCが今の形になる前からナショナルチームの一員で、山あり谷ありだったHPCJCの中距離チームを引っ張ってくれてきた選手。その中村選手へのリスペクトと感謝の気持ちを込めて、中村選手のここまでの自転車人生とHPCJCとの関わりを伺ったインタビューを全5回でお届けします。

 

第1回 : 幼稚園の時の夢がオリンピック選手だったことが発覚!
第2回 : 周りの人には恵まれてきたなと思います。
第3回 : 前日は瞑想を聞きながら寝るのがルーティン。
第4回 : HPCJCができてラスト2年で一気に加速した。
第5回 : 今は自分が3人ぐらいほしい。

 

第5回:今は自分が3人ぐらいほしい。

 

Q:最後に、今後妃智さんが何をしていこうとされているのかを伺いたいです。

 

自転車競技の指導者を目指しています。潜在的な能力があり、ナショナルチームに送り出せるような学生がいるにも関わらず、高校・大学で競技の道を諦めてしまう学生が結構いるんです。その結果、全日本選手権などの大会で女子マディソンの出場組数がわずか3組など、レースとして成立しないような人数しか揃わないことがあります。手始めに中間層を発掘して母数を増やし強化を行うことを優先的に行うべき。時間は掛かりますが、将来的には各大会への参加選手の人数も増加し、結果的にナショナルチームの選手たちにとっても、より意義のあるレースになるんじゃないかと。そんな環境を創る一助になりたいというのが、やりたいことの一つですね。

 

 

Q:所属会社の理念でもありますよね。

 

はい。「自転車競技をメジャースポーツにする」というのが会社が掲げるスローガンなので。2021年の10月、千葉県に開設された「TIPSTAR DOME」というドームで、レースの解説をやらせていただいています。マイクを通して、微力ではありますが自転車競技や競輪の魅力をお伝えすることで自転車界を盛り上げていければいいなと思っています。また、最後のご報告となりますが、来春から大学院に進学します!

 

 

Q:大学院?それはまた失礼ながら意外な。何を学ばれるんですか?

 

大学院ではトレーニング科学を専攻します。自転車競技では「解析」が重要なポイントのひとつだと思っています。私自身、パワーデータの観測値を基にトレーニングのプログラムを作成してもらい実行していました。そういった解析を、自分自身でもしっかり取れるようにになり、科学的根拠を持って指導できるようになりたいです。実は以前からモトコミッセールにも興味があり、審判資格も取りました。大学院への進学と共に「学び」という面で、週末の時間を利用し、ロードレース審判のための大型バイクの免許取得なども検討していきたいと思っています。バイク誘導で選手のトレーニングのアシストもできるようになりたいですね。

 

 

Q:や、やりたいこと、満載ですね!

 

やりたいことがいっぱいあって、今は自分が3人ぐらいほしいと思っています(笑)。日本で指導者として活動するためにコーチの資格が必要なのですが、来年には取りたいです。

 

 

Q:将来的には、全日本のコーチとか。

 

まずはとにかく勉強をして資格を取らないと、ですね(笑)。今はまだ何も知識がないので、経験と実績が伴ったら、ゆくゆくは高いレベルの選手強化にも関わらせてもらえるかもしれません。そのためには、自分の価値向上への努力が必須。将来的には、責任感のあるポジションを任せられるような人材になっていたらいいなとは思います。

 

 

Q:めちゃめちゃ明確な目標があっていいですよね。

 

常に目標を持って物事に取り組んできたのもあるかもしれません。

 

 

Q:どこかで自転車界に恩返しをしていくみたいな気持ちがあったりとかされるんですか?恩返しっていうとちょっと違うかもしれないですけど、自転車界に貢献するっていうような?

 

長年に渡って私が支えてきてもらったと思っているので、「次は自分が自転車界を支える側になりたいな」と自然に思っていて。それがどういった形で関わっていけるのかがまだ明確にはなっていなかったんですけど、徐々に形になってきていると感じます。

 

Q:大学院に行くとかっていうのは、オリンピックが終わって「さあ、次どうしようかな」っていろいろ考えてる中で?

 

そうですね。会社に戻ることは決めていましたが、同時に指導者としての道も目指すにあたり、まだまだ知識が足りないと不安に思ってました。その時に大学時代の監督と会って話をして、大学院の受験を考えはじめました。

 

 

Q:妃智さんがこれからやろうとされてることは、自転車競技を広めていくっていうことに、必ず関連してくることになると思うので。

 

学んだことがいつか自分自身の力になったら嬉しいです。

 

 

Q:東京オリンピック終わった後にいろいろ考えて、次どうやってこうかみたいなことを考えた時に、今やりたいことがいっぱいあって、「自分が3人ほしい」みたいな状況になってらっしゃるのが、すばらしいなと思いますね。

 

ありがとうございます。

 

 

Q:だって、東京オリンピック終わった時は想像できてなかったことじゃないですか?

 

そうですね。でもずっとやりたい事は考え続けていました。

 

 

Q:ある程度、指導者みたいなことは思ってらっしゃったんですね。

 

はい。

 

 

Q:指導者が今後は今まで以上に必要になると思います。これからの妃智さんの人生、楽しいことがいっぱい待っているだろうなっていうことを感じさせられるお話でした。これからやりたいことがある、「まず1つ目」と仰って、3つ目で終わりかなと思ったら、4つ目って仰った時に「え、4つもあるんですか?」と思いました。すばらしいです。

 

取りこぼさないようにがんばりたいなと思います。

 

 

Q:そうですね。でも、妃智さんは、やりたいことに向かって着実に進んで行かれるでしょうし、それを周りのみなさんがちゃんと応援してくださる状況が常にあるんじゃないかなと思うんです。必要な時に必要な方が助けてくださる。でも、それは、今日お話を伺っていたら、妃智さんが周りのみなさんに自然とそう思わせてしまう人間性の持ち主だからなんだな、ということがよく分かりました。

 

ありがとうございます。

 

 

Q:なんとなくそう思ってましけど、それがよく分かるお話をいただきました。この後の活躍も期待しています。どうも、ありがとうございました!

 

こちらこそ、ありがとうございました!

 

(最後までお読みくださり、ありがとうございました!)